ミッキーマウス的

梱包発送と目録の打ち込みで一日が終わる。今月の売り上げがかなり少なめなので、少し単価の高い商品を選んで目録に打ち込む。近日中にアップの予定。
山脇巌『欅』アトリエ社、板垣鷹穂『現代日本の藝術』(信正社)、日本工作文化聯盟編集『現代建築 全15巻』(現代建築社)など。『現代建築』は1939年に創刊されたけれど翌年の雑誌統制で廃刊になってしまった幻の雑誌(たぶん)。まとめて15冊ははじめて手にしたので、本当は少し通して読みたいけれど、年末苦しくなりそうだからなあ。売るのが仕事だし。
目録のために目次を抜き書きしていたら、昭和14年発行の佐藤武夫著『無双窓 建築随筆評論集』(相模書房)に「満洲の忠霊塔」「時局と建築学」といった文に混じって「ミツキーマウス的なもの」という一文を発見。「日本人は今や外国の先進諸国に劣るものでは無い。にも拘わらず独創性の、わけても工業文化の枢軸であり基盤であるオリヂナル・アイデアの振はないのは何だろうか」として、「日本人にはミッキーマウス的なものが欠けている」と提言。この文は昭和12年のものだから、当時すでにミッキーマウスの人気が定着していて、それを建築家がアメリカ文化のオリジナリティの代表として感じていたわけだ。ナチス政権下でのミッキー・マウスについては『ミッキー・マウス ディズニーとドイツ』に詳しいが、日本の戦時下におけるミッキーについても詳しく調査したら面白いに違いない。

ミッキー・マウス―ディズニーとドイツ

ミッキー・マウス―ディズニーとドイツ