三島と太宰をいっしょにしないで!

 4周年記念セールはなかなか好評で、建築専門誌が4日間で160冊ほど売れた。買い取る時は送料着払いで、売る時も送料一律300円ということもあって、ディスカウントすると薄利だけれど、このくらい動くとうれしい。まとめ買いが多いので梱包も大変ではないし。セールが終わったらしばらく控えていた建築専門誌の買い取りを再開することにしよう。建築専門誌が安くなっているというのは口コミでも広がったらしいので、これが単行本の売り上げにつながるといいのだが、そっちの注文はさっぱりだ。
 夜は成瀬巳喜男監督の『浮雲』をBGVにしてフリーマーケットに出す本に値段をつける。紙ものが多いのでいくらやっても終わらない。たった一日だけだけど、足を運んでくれた人の期待を裏切らないようにしたいので、出品する本もいろいろ悩む。

 ところフリマに出す本の中にはサイトでは扱っていない小説などもある。積極的に仕入れていなくても、いつのまにか増えているのだ。そんな中に三島由紀夫の『永すぎた春』(新潮文庫)を見つけて読む。パラパラと中身を見たら、東大生と古本屋の娘との恋愛を描いた小説だったからだ。雪重堂書店という古本屋が主な舞台で、娘は「神田支部での振り市」に参加したりもする。
「いつのまにか小説もけっこう在庫があるんだよね、三島とが太宰とか‥‥」と妻にいうと、
「三島を太宰なんかといっしょにしないで!」と一喝されてしまった。そういう主旨の話じゃないんだけどなあ。はいはい、わかりました。